【現場のリアル】一体どこから!?孤独死現場にハエが集まる理由
2025.12.17

- 一体どこから孤独死の現場にハエが集まるの?
- そもそもウジ虫って何?遺体から出てくる虫なの?
- ハエやウジ虫が湧いた部屋はどうやって対処すべき?
こんな悩みにお答えします。
人と人とのつながりが希薄になりゆく近年、社会が抱える問題のひとつである『孤独死』。
孤独死の現場で発生する大量のハエにより、孤独死が起こっていることに気づく人も少なくありません。
この記事では、以下の内容をお伝えします。
- 孤独死の現場にハエやウジ虫が集まる理由
- 特殊清掃でハエやウジ虫を駆除する方法
- ハエやウジ虫が人体に及ぼす影響
結論、死臭を察知したハエは家中のわずかな隙間から部屋に侵入します。
遺品整理や特殊清掃に携わる私たちオモイデの経験より、特殊清掃が行われる現場のリアルとともに対処法についてくわしく解説します。
【現場のリアル】一体どこから!?孤独死現場にハエが集まる理由
孤独死が起きた現場にハエが集まる主な理由は、ハエはたとえ小さな隙間でも部屋に侵入でき、優れた嗅覚を活かして死臭を感じ取れるからです。
孤独死といえどもすぐに発見された場合、ハエは集まりません。
しかし、孤独死して時間が経てば経つほど遺体の腐敗は進み、遺体から出る血液や体液、死臭が発生し始めると、それを察知したハエが集まり始めるのです。
たとえば、次のような経路から孤独死した部屋にハエは侵入します。
- トイレやキッチンなどの換気扇
- エアコンのドレンホース
- キッチンやお風呂、洗面台の排水溝
機密性の高い住宅でない限り、どんなわずかな隙間も見逃さないハエの侵入を防ぐのは難しいと言えるでしょう。
さらに一度侵入を許してしまうと、そこから悲惨なループに突入します。
孤独死した遺体にウジ虫が湧くのは侵入したハエがきっかけ
孤独死した遺体が腐敗し始めると、遺体からウジ虫が湧くと思われている方がいますが、それは大きな間違いです。
実は、孤独死した部屋に侵入したハエにより、ウジ虫は発生します。
ウジ虫が発生するまでの流れについて、くわしく解説します。
ハエが遺体に卵を産みつける
もともとハエはあらゆる死骸に卵を産みつける習性があります。
ハエの種類にもよりますが、1回の産卵で100〜200個の卵を産み、卵は約1日でウジ虫へと成長します。さらにウジ虫は1週間程度でサナギになり、2週間程度でハエへと成長を進めます。
一方で、下表のように孤独死した遺体が発見されるまでには、平均して18日かかるというデータがあります。

短いサイクルで産卵・成長を繰り返せるハエやウジ虫にとって、18日もあれば繁殖するには十分な時間となってしまうのです。
このようにしてハエが産み付けた卵が孵(かえ)ることにより、ウジ虫が発生し、そのウジ虫が成長してハエになるというサイクルが回り続けてしまいます。
ウジ虫は腐敗した遺体を食べてハエに成長する
ウジ虫は自然界では分解者の役割を担いますので、孤独死した遺体も同じくウジ虫のエサになります。
さらに孤独死した部屋に腐った食材などがあれば、もれなくウジ虫のエサに。
死骸や腐った食材を好むウジ虫にとって、孤独死した遺体が腐敗した現場は成長するには最高の環境となってしまうのです。
孤独死した遺体の発見が遅れれば遅れるほど、ウジ虫やハエの繁殖につながりやすく、特に遺体の腐敗が進みやすい夏場などは被害が顕著に現れます。
このようにして孤独死が起きた現場は、おびただしい量のハエやウジ虫で満たされてしまうのです。
【特殊清掃】孤独死の現場に湧いたハエ・ウジ虫を駆除する方法
ハエは殺虫剤により駆除できますし、ウジ虫も殺虫剤や熱湯をかければ駆除できます。
とはいえ注意点もたくさんあり、ご自身でハエやウジ虫が湧いた部屋を掃除することはおすすめできません。
肉体的・精神的にも多くの負担がかかり、後述しますが感染症のリスクも高いためです。
特殊清掃のプロは以下のような手順により、目に見える範囲だけでなく、原状回復作業の前後にしっかりとハエやウジ虫を根絶させます。
- 部屋を密閉する
- 薬剤を使って駆除する
- 隅々まで清掃する
①部屋を密閉する
まずは外部からハエに侵入させないように、とにかく部屋を密閉します。
なぜなら、前述したようにハエは死臭に寄ってきますので、臭いを中に閉じ込める必要があるからです。
「うわ!なんて臭いだ!空気が悪いのでとにかく換気しなきゃっ!」と換気扇を回したり窓を開けたりするのはNGです。さらにハエを寄せ付けてウジ虫の大量発生を招きかねません。
悪臭や害虫の発生など、近隣住民への二次被害の拡大にもつながりますので、まずは部屋を密閉して外部と内部を完全に遮断します。
②薬剤を使って駆除する
次に清掃作業をする前に、ハエとウジ虫を薬剤を使って駆除します。
ハエやウジ虫を駆除しないと、ハエやウジ虫に付着した体液などががあちこちに拡散させられるからです。
実際には次のような方法で駆除しています。
- 飛んでいるハエには殺虫剤を噴射
- ウジ虫は塩素やウジ虫用の薬剤を噴射
- 60度以上のお湯をかける(ウジ虫の場合)
ウジ虫を踏み潰すと白い乳液のような汚れが広がりますので、業者や状況によっては掃除機などの吸引機でウジ虫を吸い取って、持ち帰った後に熱いお湯で駆除することも。
このようにして駆除したハエやウジ虫の死骸をきっちり取り除きます。
③隅々まで清掃する
最後に血液・体液や生ゴミなど、ハエやウジ虫の発生源になるものを徹底的に取り除きます。
隙間に潜むウジ虫を取り忘れると、再びウジ虫がハエになり、産卵と成長を繰り返してしまうからです。
ウジ虫は小さいため、以下のようなわずかな隙間にも入り込み、場合によっては床の解体作業を伴うこともあります。
- 棚の裏側
- 壁の隙間
- 窓のサッシの隙間
- エアコンの中
- 排水溝
実際にこの段階の作業を怠ったことでハエやウジ虫の再発を招き、再び特殊清掃をお願いすることになった事例も。
徹底的に発生源を除去した後は、人体に被害のないオゾン燻蒸により消毒・消臭を行い、原状回復に至ります。
【危険】ハエ・ウジ虫で溢れる部屋の掃除は人体に影響アリ!
ご自身での清掃は肉体的・精神的におすすめできない点に加えて、感染症にかかるなど衛生面でも多くのリスクがあります。
というのも、遺体に接触するハエやウジ虫は危険な病原菌やウイルスを保有しているからです。
下痢や嘔吐などの原因になりますので、特殊清掃のプロは以下のような対策をして清掃にあたっています。
- 防護服
- 防毒マスク
- 安全保護ゴーグル
- 手袋
孤独死の現場で発生したハエやウジ虫は、遺体の体液や血液などを身にまとってあちこちに移動しています。人体に多くの影響を与えかねませんので、無防備な格好で孤独死の起きた部屋に立ち入るのは避けておきましょう。
二次被害を食い止めるためにも特殊清掃業者を活用しよう!
ハエやウジ虫が発生している以上、近隣住民への配慮も無視することはできません。
二次被害をしっかり防ぐためにも、孤独死した遺体が腐敗する現場の対処は特殊清掃業者に任せましょう。
二次被害として、以下のような被害が発生しています。
- ベランダの洗濯物やマンションの共用廊下がハエだらけになる
- ゴキブリなどの害虫も発生している
- 強烈な死臭が漂う
原状回復が遅れれば遅れるほど、ハエやウジ虫は溢れます。
孤独死を発見したら警察への連絡を最優先しつつ、すみやかに特殊清掃業者へ連絡し、スムーズに清掃作業を進められるように手配しておきましょう。
まとめ【死臭を察知したハエは隙間があればどこからでも侵入する】

今回はハエの侵入経路についてお伝えしました。
死臭を嗅ぎ取ったハエは換気扇などのわずかな隙間からでも侵入できます。そして、一度侵入を許してしまうと、遺体が腐敗すればするほどウジ虫とハエが増え続ける無限のループに突入します。
感染症リスクを回避し、二次被害を起こさないためにも、ハエやウジ虫が大量発生した現場は特殊清掃業者に依頼して対処しましょう。
私たちオモイデでは遺品整理業者をはじめ、特殊清掃に精通した業者もお見積もりしております。迅速にお近くにあるトップ5社のお見積もりを無料で作成できますので、困ったときはお気軽にご相談ください。