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遺品処分にお清めの塩は必須ではない3つの理由(結論、あなた次第)

2024.12.04

  • 遺品を処分するときにお清めの塩って必要?
  • どうやって塩を使って遺品を処分するの?
  • 塩で清める以外の供養方法も知りたい

こんな悩みにお答えします。

遺品を処分すると故人に申し訳ない気持ちになったり、無礼な行為だと感じたりする人はたくさんいらっしゃいます。

しかし、必ずしも遺品を塩でお清めして処分する必要はなく、あくまでご自身の気持ちと相談して行えば問題ありません。

この記事では以下の内容をお伝えします。

  • お清めの塩にまつわる基礎知識
  • 遺品処分に塩が必須ではない3つの理由
  • 遺品供養がおすすめな人とタイミング
  • 7ステップでできる、遺品を塩で清めて処分する方法
  • お清めの塩以外で遺品供養する方法

この記事を読めば、遺品をそのまま処分するのか、遺品供養した方がいいのかについて、明確に判断できるようになれます。

また、お清めの塩を使って自分で遺品供養できるスキルも身につけられますよ。

ぜひ最後までお読みいただき、後悔のない遺品処分を行いましょう。

 

お清めの塩とは?

お通夜に参列した後に、お清めの塩を受け取った経験はないでしょうか?

これは塩が浄化の象徴とされており、身を清めて穢(けが)れを祓(はら)う効果があるとされているからです。

遺品を処分するときには、遺品を清めて故人の魂を安らかに送り出す役割も果たします。

ここではお清めの塩について、次の3つの視点で深掘りします。

  • 由来
  • 目的
  • 種類

 

【由来】お清めの考え方は神話に由来する

塩で身を清めるという考え方は、神話に由来します。

出雲神話ではイザナミノミコトを追いかけて黄泉の国へ行ったイザナギノミコトが、黄泉の国から帰った後に穢れを祓うために海水で身を清めたという一節があります。

このように古来から海水には穢れを祓う効果があるとされ、やがて塩が海水の代わりとして使われるようになりました。

塩を使って清める考え方は、このような神話が元になっていると言われています。

 

【目的】お清めの塩は『穢れを払い、身を清める』

神話の一説にもあった塩で清めるという考え方は、古くから日本で信仰されてきた神道の思想として語り継がれてきました。

神道では死を穢れとして捉え、穢れのことを『気枯れ』と書きます。

生命力である気が枯れることは死を意味し、穢れとは気力がなく衰えた状態を指します。その状態は人に伝染すると考えられ、お祓いして清める必要があるとされてきました。

塩は神道において神聖な力を持つものとして、『穢れを払い、身を清める』ことを目的とし、さまざまなシーンで活用されてきました。

 

【種類】海水100%の塩を使う

お清めでは『海水100%』で作られた塩を使います。

神道では海水を神聖なものと捉え、神話でイザナギノミコトが海水で穢れを清めたことに由来するからです。

市販されている手に入りやすい海水100%の塩は、次のとおりです。

  • 「伯方の塩」
  • 「瀬戸のほんじお」

このような海水を原料にしている、無添加の塩を選ぶようにしましょう。

 

遺品処分にお清めの塩は必須ではない3つの理由(結論、あなた次第)

結論、遺品を処分するときにお清めの塩は必須ではありません。

理由は以下の3つです。

  • 理由①:そもそも遺品供養は必須ではないから
  • 理由②:宗教・宗派で塩の考え方が異なるから
  • 理由③:他の方法でも遺品を供養できるから

遺品処分の際に塩を使って清めるかどうかは、あなたにとっての必要性と照らし合わせつつ判断しましょう。

では、順に説明します。

 

理由①:そもそも遺品供養は必須ではないから

遺品を処分するときに、そもそも供養する必要はありません。

遺品供養についての明確なルールは存在せず、『したほうがいいと感じたならすべき』というのが答えだからです。

遺品は捨てるのも保管するのも遺族の自由です。一部の遺品のみ供養して、それ以外は単純に処分するケースもあるでしょう。

『遺族の気持ちとしてどうしたいか』が重要なのです。

 

理由②:宗教・宗派で塩の考え方が異なるから

すべての宗教・宗派が死を穢れと捉えるわけではありません。

神道では死を穢れと捉えますが、仏教やキリスト教では死を穢れと捉えないからです。

特に、仏教においても浄土真宗は死を穢れでも不浄でもないとし、お清めには強く反対しています。

このように宗教・宗派によってお清めに対する考え方は大きく異なりますので、必ずしも遺品処分に塩を使う必要はありません。

 

理由③:他の方法でも遺品を供養できるから

塩を使わなくても遺品を供養する方法は他にもあります。

遺品を供養する方法は大きく分けて、以下の2通りです。

  • 自分で遺品を供養する方法
  • 第三者に遺品を供養してもらう方法

自分で供養するときに手軽にできるのが塩を使ってお清めする方法であり、第三者に依頼するときはお焚き上げにて供養することが一般的です。

ですので、お焚き上げを依頼する場合、ご自身で塩を用意してお清めする必要はありません。

次項では、どのような人が遺品供養したほうがいいのかについて、くわしくお伝えします。

 

遺品供養がおすすめの人

「必ずしも遺品供養する必要がなくても、やっぱり何もせずに処分するのは気が引ける」という方や、「遺品を処分して何か不吉なことが起こったらどうしよう…」と心配になる方もいるでしょう。

ですので、次のような方は遺品を供養してから処分することをおすすめします。

  • 精神面での負担を軽減したい人
  • 罪悪感に襲われたくない人
  • 安心感が欲しい人

なぜなら、遺品供養には以下のような意味合いがあり、心の負担を軽くできるからです。

  • 悪い気や穢れをお祓いする
  • 悪い縁を断ち切って、良縁を呼び込む
  • 故人のもとに品物を届ける
  • 生前の感謝の気持ちを故人に伝える
  • 遺族の気持ちを整理する

故人へ感謝を伝えつつ、ご自身の気持ちの整理もできるでしょう。

少しでも迷いがあるなら、後悔しないためにも遺品を供養してから処分しましょう。

 

遺品供養のタイミングとは?

遺品供養するタイミングに決まりはありません。

具体的には、以下のような節目のタイミングで検討しましょう。

  • 仏教では四十九日の法要後(神道では50日経過した忌明け後)
  • 一周忌や三回忌などの、親族が集まったとき
  • 葬儀後や死後の手続きが落ち着いたとき

大切なのは遺族の気持ちが落ち着いたタイミングですること。

先に進めるべき死後の手続きなどがある場合は、優先的に進めましょう。

【供養は7ステップ】遺品を塩で清めて処分する方法(誰でもできる)

お清めの塩を使った遺品の供養方法は、以下の7ステップでできます。

  • ステップ①:入浴して身を清める
  • ステップ②:布などで遺品を拭き、汚れを落とす
  • ステップ③:白い紙の上に遺品を置く
  • ステップ④:手を合わせて故人へ感謝や弔いの言葉をかける
  • ステップ⑤:お清めに塩を振りかける
  • ステップ⑥:遺品を白い紙で包む
  • ステップ⑦:ゴミ袋に入れて処分する

用意するのは海水100%の塩のみ。

誰でもかんたんに遺品供養できますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ステップ①:入浴して身を清める

まずは入浴をして自分自身の心身を清めます。

入浴は古来より儀式を行う前に、心身の浄化を目的として行われてきました。

具体的には、いつも通りの入浴で問題はなく、塩を入れたお風呂に浸かるものよいでしょう。

故人への敬意とともに遺品供養に臨むために、まずは心を落ち着かせて身を清めます。

 

ステップ②:布などで遺品を拭き、汚れを落とす

遺品についた汚れや埃をきれいにしましょう。

故人へ感謝の気持ちを伝えつつ、遺品をきれいにすることで供養の効果を高められます。

 

ステップ③:白い紙の上に遺品を置く

白い紙もしくは布の上に遺品を置きます。

白色は清浄や神聖を表す色であるため、神聖な空間の象徴とされる白い紙や布を使いましょう。

 

ステップ④:手を合わせて故人へ感謝や弔いの言葉をかける

手を合わせて、故人へあなたの言葉を届けます。

決まった形はありません。

故人と過ごしたこれまでを振り返りながら、あなたの言葉で感謝や弔いの言葉をかけましょう。

 

ステップ⑤:お清めに塩を振りかける

用意したお清めの塩を手に取り、処分する遺品に振りかけます。

塩を振りかけることで厄や不浄をお祓いし、遺品に宿る気を整える意味があります。

手に取ったお清めの塩は、『左→右→左』の順で遺品に振りかけましょう。

 

ステップ⑥:遺品を白い紙で包む

お清めの塩で遺品供養をした後は、そのまま白い紙もしくは布で遺品を丁寧に包みます。

こうすることで遺品を清浄な状態に保ちつつ、故人に感謝の気持ちを表せます。

 

ステップ⑦:ゴミ袋に入れて処分する

白い紙もしくは布で包んだ遺品は、自治体のルールにしたがって処分します。

自治体が指定するゴミ袋に入れられない遺品や、自治体による回収が困難な遺品は、

  • 専門の処理業者
  • 遺品整理業者
  • 不用品回収業者

などに依頼して処分します。

なお、自治体指定のゴミ袋にいれて遺品を処分する際は、他の家庭ゴミなどと一緒の袋に入れないように注意してください。

せっかく遺品を供養しても、無礼にあたってしまうからです。

 

【依頼先は3つ】お清めの塩以外で遺品供養する方法(任せるだけ)

ご自身での供養だと不安な方や、お寺や神社の神職または僧侶による供養を望まれる方もいるでしょう。

そんなときは、以下のいずれかに依頼して『お焚き上げ』をしてもらいましょう。

  • 依頼先①:お寺・神社
  • 依頼先②:お焚き上げの専門業者
  • 依頼先③:遺品整理業者

お焚き上げの種類は、下表のとおりです。

種類 内容
合同供養 お寺や神社にて、他の方の遺品と一緒に供養してもらう方法
個別供養 お寺や神社にて、他の方の遺品と混ぜずに個別に供養してもらう方法
現場供養 故人の住まいにて、出向いてくださった僧侶によって供養してもらう方法

塩でお清めして遺品処分する方法と異なり、費用が発生するケースが多いため、きちんと調べたうえでの依頼をおすすめします。

 

依頼先①:お寺・神社

お寺や神社に直接依頼する方法です。

お寺や神社によってお焚き上げできる遺品の種類や供養方法が異なりますので、事前に確認しておきましょう。持ち込みもしくは郵送で遺品をお焚き上げしてもらえます。

付き合いのあるお寺や神社がある方や、遺品のお焚き上げのみ依頼したい方におすすめの方法です。

 

依頼先②:お焚き上げの専門業者

お寺や神社と連携する、お焚き上げを専門にしている業者に依頼する方法です。

供養にかかる料金は遺品の大きさによりますが、遺品の大きさに応じた箱や封筒に遺品を入れて返送すればお焚き上げしてもらえます。

自分でお寺や神社を探す手間なく、遺品を供養してもらえるため、忙しい方や手軽にお焚き上げを依頼したい方におすすめの方法です。

なお、お焚き上げが完了すると、「お焚き上げ証明書」などが送付されます。

 

依頼先③:遺品整理業者

遺品整理に特化した業者に依頼する方法です。

遺品整理と遺品供養を同時に進められるメリットに加え、以下のようなお焚き上げに適さない遺品の処分も任せられるメリットがあります。

  • 不燃物(金属・陶器・ガラスなど)
  • 燃やすと有害物質が発生する恐れがあるもの(プラスチックやビニール製品)
  • 危険物・引火性のあるもの(電池・バッテリーなど)
  • 法律で処分方法が決められているもの(パソコン・家電4品目)

多くの業者が合同供養に対応し、オプション次第で個別供養や現場供養に対応する業者もあります。

遺品の整理から供養まですべて任せられますので、遺品をまとめて処分しつつ供養もしっかり行いたい方や、忙しい方におすすめの方法です。

お焚き上げについてもっとくわしく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

>>> 【遺品を供養したい方必見】お焚き上げとは?5つの目的・効果や費用を徹底解説!

まとめ【塩はどちらでもOK!気になるなら供養してから遺品処分しよう】

今回は遺品の処分にあたり、お清めの塩の必要性について解説しました。

結論、遺品処分にお清めの塩は必須ではないため、ご自身の故人に対する気持ちや納得感で判断して問題ありません。

その理由は以下のとおりです。

  • 理由①:そもそも遺品供養は必須ではないから
  • 理由②:宗教・宗派で塩の考え方が異なるから
  • 理由③:他の方法でも遺品を供養できるから

ご自身でお清めの塩を使って遺品を処分するときは、次の7ステップで遺品を供養しましょう。

  • ステップ①:入浴して身を清める
  • ステップ②:布などで遺品を拭き、汚れを落とす
  • ステップ③:白い紙の上に遺品を置く
  • ステップ④:手を合わせて故人へ感謝や弔いの言葉をかける
  • ステップ⑤:お清めに塩を振りかける
  • ステップ⑥:遺品を白い紙で包む
  • ステップ⑦:ゴミ袋に入れて処分する

お清めの塩は使わずにお焚き上げを希望するときは、次の依頼先に任せれば安心して遺品を供養できます。

  • 依頼先①:お寺・神社
  • 依頼先②:お焚き上げの専門業者
  • 依頼先③:遺品整理業者

自分でできるお清めの塩を使った遺品供養が、お焚き上げによる供養よりも質的に劣るということはありません。

遺品供養は個人の自由ですし、大切なのは故人を偲ぶ遺族の気持ちです。

本記事が納得のいく遺品処分の一助になれば幸いです。